ご家族に「差し入れは何が欲しい」と聞かれ、「お花があれば」と答えた95歳のSさん。自分の仕事としてホールにお花を生けてみようとのことでした。Sさんは、届いたお花を広げながら、「私は昭和21年、二十歳の時に農家なら食べ物には困らないからと言われて嫁に来ました。しばらくしたら旦那さんが、33枚も田んぼがあるのに、勤めに出ると言い出して、仕方なく家の仕事を1人でやりよったんです。小さい子どもを背負い、田んぼの中で泣きながら草取りをしていたのをよう忘れんですよ。終戦後はみんな貧しくて苦労したけど、あの頃に頑張ったから、今は若い方が助けてくれるじゃと思います。ありがたいです。私にもできる仕事があれば言ってくださいね。足は立たないけど、口はまだまだ立ちますんでアハハハハ!」
この日のホールは、綺麗なお花と笑い声で賑やかでした。