施設長にお伝えしておきたいお話があります。
先日、旅立たれたA様のお話を、介護職員さんより伺いました。明るくって社交的、笑顔の素敵なA様、しかし、一晩中起きていることもしばしば。
そんなA様との思い出が沢山あって、一番印象に残っている事は、A様が入所当初、夜勤の度に寝てくれなくて、隣に座って過ごしていたのですが、気持ちが疲れてしまい、隣で寝たふりをしてしまったのです。そしたらA様が「あんた風邪ひくよ」って、そっと自分の膝にかけていたハーフケットをかけてくれたのです。その時、こんなに純粋で優しい方に、なぜ嘘つく様に寝たふりをしてしまったのだろうと、A様の優しさに涙が溢れました。
私は、その話を聞いてほっこりし、こんな感性をお持ちの介護職員さんと一緒に仕事が出来る事を幸せに感じました。そして、認知症の症状があっても、思いやりを届けて下さったA様に、心から感謝致しております。 私の心の中にだけ収めておくには、もったいない話だと思い、このぬくもりを皆様にお届けしたいと思います。